こんなにいる!猫の種類
ペットショップなどで名札と共に猫種が書いていますが、特徴までは知らずに買いに行く人が多いでしょうし、よろしければよく見かける猫種の名前や特徴をご紹介。
雑種(ミックス)
野良猫などで種類のわからない種などは、ほぼ一括で雑種と呼ばれていますが、近年はミックスとも。
家庭で複数猫飼っていて雑種となることもあり、保護猫や野良猫を拾った場合なども多くが雑種で、家庭で飼われている猫の中でも特に多い。
アメリカン・ショートヘア
中型で大きな脚を持ち運動能力が高い。鼻・口の部分はほぼ四角い形をしており、寒さ、湿気、および表皮負傷からそれらを保護するために硬い毛皮を持つ。毛皮は冬に厚く、春に薄くなる。いずれも同系のブリティッシュショートヘア種より体重が軽いのが特徴。ただし、容易に太る傾向があるため、健康管理に注意を払う必要がある。
個体として完全に成長するのは3-4歳頃だと考えられている。オスはメスよりも大きく、メスのあごはしっかりしている。
日本で一般的なシルバークラシックタビー(銀地に黒の渦模様)以外にも、非常に多彩な色(白、クリーム色、赤、茶色、青、縞模様など)のバリエーションがある。目、手足の肉球、および鼻の色は身体の色にマッチしている。尻尾は先細り。毛の手入れはさほど必要なく、毛が生え変わる季節に定期的なブラッシングをするだけで、問題なく毛玉の形成を防ぐ事ができる。
陽気で賢く好奇心旺盛。遊び好きで、同居人(犬も含む)と仲良く暮らすことが可能。狩りが得意だが、明るく優しい気質で、小さい子供の遊び相手にもなれる。
スコティッシュ・フォールド
とにかくこのたれ耳が愛される特徴で、ペットショップでも通称スコ耳と呼ばれるこのたれ耳の子猫が人気。
「折れ曲がり」を意味する英語の「フォールド (fold)」という名が説明するように、最大の特徴は、前方に折れ曲がりながら垂れた耳である。加えて短めの首、丸い顔、丸みを帯びた小柄な身体も、独特とされている。「耳の先に触れずに頭上に手を乗せられる唯一の猫」でもあり、小さく折り畳まれた耳に大きな眼という特徴から、その外観はフクロウのようと形容される。
その耳は優性遺伝で発現するもので、折れ曲がり具合には様々な段階が存在している。折れ耳は生まれた時からでなく、生後13 - 23日目に生じ始める―すなわち耳が畳まれ始める。また通常の耳を持つ猫と比べ、耳の伝染病を罹患しにくいという実利的な特質がある。が、耳道の閉塞により耳垢排出不全を起こし外耳炎を起こすケースもある。
日本猫
顔は鼻筋が通り、耳の毛は短い。全身の毛はそれほど長くない。尾は細長いものと極端に短いものがあるが、細長くても先だけが折れ曲がっているものもある。尾の短いものは尾骨が複雑に折れ曲がっていることが多いが、毛に覆われているために外見上は単純な切り株状に見える。短尾のネコは、世界的には比較的珍しく、日本猫の特徴の1つとなっている。一説に、尾は東へ行くほど細長く、関西では短く、西へ行くと折れ曲がっているらしい。
尻尾の短い個体が日本で一般的になった理由には、猫の尻尾に火鉢の火が引火し火事が起きた事があるから、長い尻尾は蛇を連想させて日本人に嫌われたから、二股に尾が分かれた妖怪「猫又」の誕生を忌み、尾の短い猫が好まれ尾の長い猫が減ったため、などの諸説がある。
毛並みが美しく、またその色分けも外国人から珍しがられている。白・黒の一色、濃淡帯状の縞模様、白地に黒ぶちや茶ぶち、そして三毛猫と呼ばれる白・茶・黒の三色に色分けされているものなどがいる。縞模様のネコはトラネコと呼ばれ、茶縞のものをチャトラ、こげ茶縞のものをキジトラ、灰色縞のものをサバトラと特に分けて呼ぶ場合もある。
毛の色は遺伝的要素や母体内での影響などが考えられているが、隔世遺伝なども起こるためか、必ずしも両親と同じ色が生まれるわけではない。伴性遺伝の関係で、白い面積の多いネコはメスが多く白以外の色のネコはオスが多い。また三毛猫とサビ猫(べっ甲柄の突然変異種)はほぼ全てがメスである。その一方で、チャトラは比較的オスが生まれやすい傾向がある。
マンチカン
ブルース・フォーグルは、「普通の猫と根本的に異なった構造を持つ猫であることは否定できない」とする。その名の由来は「短縮」を意味する英語の同一語句にあり、最も顕著な特色は短い四肢である。
この目立って短いマンチカンの脚は、常染色体に自然発生的に現出した優性突然変異によって生まれたものである。
脚の短さが日常生活に支障を及ぼすことはない。普通の猫のようにジャンプすることができ、木に登ることもできる。ただ、後ろ脚の短さから跳躍力は制限される。同様の短脚を持つダックスフントという犬種は背の骨格に問題を抱えているが、マンチカンにおける同様の問題の存在を示唆する証拠は挙がっていない。初期の頃には研究方面からの脊椎の構造的な欠陥を指摘する声もあり、1995年の初公認まで10年以上の時間を要した一因でもあったが、最終的には否定された。
交配の歴史において、ありとあらゆる猫種を相手にしてきたため、頭の形から被毛の色まであらゆる種類のものが存在している。ペルシャと交配させたブリーダーもいれば、シャムやアビシニアンとの掛け合わせを行っているブリーダーもおり、更にはデボンレックスのような縮れ毛や、アメリカンカールのような屈曲した耳を持つマンチカンの作出の事例も報告されている。
体長より少しばかり短い、動作豊かな尻尾を持つ。片足をもう一方の足と同じ直線上に置きつつ、尻尾を直立させたうえで腰を振りながら歩くという、ファッションショーにおけるファッションモデルの「キャットウォーク」を想起させるような風変わりな歩き方をする。
足の短さが手伝ってか、前足を上げて後ろ足だけで立ち上がることもあり、一般に「マンチカン立ち」とも呼ばれる。
ノルウェージャンフォレストキャット
ノルウェージャンフォレストキャットの毛皮は、寒さから保護するために厚手でふわふわとした二層状になっており、タフトのある耳と基部が太く、先細りの尾は長い被毛に覆われている。彼らのトーティシェル(サビ)・キャリコ(三毛)などの毛色の毛皮は、その外層が粗く内層の密度が高いために基本的に水を通さない仕組みである。体重は、成猫のオスは4.5-7.0kgほどで、メスがそのおよそ半分くらいの3.5-5.5kgで比較的大きめである。後脚は前足より長く、腰高で骨格も太い。 彼らは人間との交流を楽しむ、非常に知的で遊び好きな猫である。彼らの愛称の「ウェジー」“Wegie”は、英語の言葉を短縮された言葉で、アメリカで呼ばれたことが発祥である。
ラグドール
瞳はブルーで長毛種に分類される。胸の前まで長めの被毛に覆われ、その姿はさながらよだれかけを掛けているように写る。模様はポイントがベースになっており、その上に白色が乗る様な形になっているが、ミテッド、バイカラーの場合は幼い時は白色なので後からポイントが表現されるように見える。模様の種類はポイント・ミテッド・バイカラー(血統書団体によりトーティ、ヴァン・バイカラーも存在する。)がある。毛色はシール(こげ茶)・ブルー(灰色)が多いがチョコレート(薄いこげ茶)、ライラック(薄い灰色)、レッド(茶)、クリーム(クリーム色)、フォーン(子鹿色)、シナモンなどがある。また、ミテッドとバイカラー(はちわれ)の模様に縦縞が混じるリンクスも存在する。
完全に成長するまでには約4年を要し、大型種(現在中型種に分類)だが、10 kg前後まで成長するのは稀で、現在はメスで4.0 kg - 6.0 kg、オスで4.5 kg - 7 kg位にまで成長するものが一般的である。
非常におおらかで、抱きかかえられることも好む事から「ぬいぐるみの人形 (rag doll)」が連想され、ラグドール (Ragdoll)という品種名を与えられるに至った。人間の子供などに対して寛容に接する懐の深さをもち、鳴き声も静か。比較的帰巣本能が強いため、譲渡や引越しには神経質になる可能性がある。
メインクーン
一般的にニューイングランド地方メイン州が原産とされておりメイン州公認の「州猫」として認定されている。アメリカにおける最古、最大の品種であり、身体の模様や狩りの習性がアライグマ(ラクーン)に似ていることから命名されたが、実際にはアメリカ合衆国(アメリカ)の農場にいた猫と、船員により欧州から連れて来られた長毛種の猫の子孫と考えられている。
メインクーンは特にその大きな骨格と三角形の体型、長い毛並みで知られ、色は多彩でその知能と優しい性格も特徴とされる。肥大型心筋症や股関節異形成症の健康面での問題を持つブリードとされているが、これらは検査により遺伝子異常を発見し、発症し得るかを確認することが可能である。
メインクーンの耳は大きく、根元が幅広、頭の高い位置にあり、中にタフト(Tuft=房毛)が豊富に付き、先端にリンクスティップス(Lynx Tips=リンクスの耳先の飾り毛)がある。メインクーンに特徴的なリンクスティップスによって、オオヤマネコのような風貌を得ている。
メインクーンの洞毛は長く、2004年には17.4 cmの洞毛を持つメインクーンが、2005年には19 cmの触毛を持つメインクーンが最長の洞毛を持つ猫としてギネスに登録された。
頭の形はどちらかというと長めだが、去勢されていない雄が成長するとえらが張るようになる。顎は頑丈で、マズルはしっかりとした四角形。
横顔には、鼻筋にジェントルカーブと呼ばれる緩やかで、流線的な窪みが見られる。メインクーンと似ているノルウェージャンフォレストキャットと区別する特徴の一つとして、ジェントルカーブの有無がある。
シャム
古来よりタイには3種のネコ、シィ・サワット(コラットの原型)、スパラック(バーミーズの原型)、そしてシャムが存在していた。中でもシャムは王室や貴族、寺院など、高貴な血筋の家系でのみ飼うことが許されるなど非常に尊い扱いをうけてきた。それが1884年にイギリス総領事であったゴードンに寄贈されたことによりイギリス本国へ渡り、ロンドンのクリスタル・パレスで行われたキャットショーにてその特徴的な毛色が注目を集め、世界に広がる事となった。 V字型の顔、長く細い美しい尾と四肢、ピンと張った肉の薄い耳、そして毛色はともかく、シャムと呼ぶためにはサファイアブルーの瞳が必須条件になる。口は小さく、爪は危険なほど鋭い。前足をよく使い、高いところを好む。 多くのペット猫種の例に漏れず、第二次世界大戦を挟んだことで種の危機に瀕した事があり、そのためにクラシックやモダンといった差異ができている。丸顔の傾向を有したトラッドスタイルと、現在のショーキャットの基準に適した細身なモダンスタイルが存在する。その中間的な形態をクラシックスタイルと称する場合もある。一般的にシャム猫を言う場合は後者の長い肢体を持つモダンスタイルを指す場合が多い。クラシックなシャム猫はハスキーな声で鳴くものも多いが、品種改良により必要以上には鳴かない猫に変遷してきている。
また、シャム猫は非常に高い繁殖力を持ち、日本国内ではシャム猫との交配でポイントの毛色を発現する遺伝子を有している雑種猫が多く、雑種猫間の交配によってシャムの毛色をした猫が出現することがある。この場合、ポイントとアイカラー以外の特徴は両親からの遺伝による部分が大きく、一般的に言われているシャム猫の特性を備えない場合も多い。
シャム猫の特徴的な毛並みであるポイントカラーはブルー、シール、ライラック、・チョコレート・レッド・トーチ・リンクスに分けられる。どれも茶色の薄さの度合いである。このポイントの色の濃さには体温が影響しており、生まれたばかりは白い被毛に覆われているが、耳や尻尾の先などの体温の低い部分からポイント色の発生が見られ、やがて耳、顔、足と尻尾の先に特徴的なポイントを生じる。そのため、老猫では全体的に毛色が濃くなる傾向がある。
血統的に近いロシアンブルーと同様に、幼少期にポイントの中に薄いダビーが見受けられることがある。